社会不安障害の治療は、薬物治療と心理療法の2つが大きな柱になります。
特に、社会不安障害の治療において、薬物治療は重要です。
社会不安障害が起こるメカニズムは、うつ病が起こるメカニズムと似ていることから、社会不安障害の薬物治療においても、抗うつ薬が使用されます。
抗うつ薬の中でも、第三世代の抗うつ薬といわれるSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)は、社会不安障害の治療においても効果を発揮することが最近明らかになってきました。
社会不安障害も脳内神経伝達物質セロトニンの機能異常が主な要因となっていると考えられているからです。
また、現在、社会不安障害の治療においては、SSRIをベースにしながら、必要に応じて抗不安薬をプラスするようになってきているようです。
SSRIは、根本的な治療に近い働きをする反面、効果が現れるまでに2週間以上かかるというデメリットがあります。
そこで、即効性がある抗不安薬が、SSRIが効いてくる間に併用されたり、社会不安障害の症状が強いときの頓服として用いられています。